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>>> 落合:僕は山本耀司(Yohji Yamamoto)の服が好きなのは、”侘び寂び”があるから。あえてプリントが剥げている部分があったりする。僕のiPhoneケースは、自分でつくった墨絵の切れ端に銀箔を塗っている。これこそ使えば使うほど味が出てくる美学なのです。そしてこれを美しいと思う自分の感覚を信じている証拠なのです。でなければアート作品なんてつくれません。そもそも日本人は茶道具など、使い込まれたものを愛する素養があります。服にしてもつぎはぎの文化があるからこそコム・デ・ギャルソンも山本耀司も生まれたのだと思います。
山口:アラン・ケイ(計算機学者)は、日本に訪れたとき、国立博物館で印籠を見て非常に感動したそうです。何でそんな昔にこんな美しいものがつくれたのかって。それなのに何で彼らがつくる携帯電話はアグリーなんだって(笑)。スティーブ・ジョブズに印籠の存在を教えたのは彼らしいです。初期iPhoneのデザインは印籠がベースになっているから丸みを帯びているのですよね。印籠の美しさを解するセンスは海外のものになってしまっているけれど、元々のリテラシーを日本人が取り戻せばまだ可能性はあると思うのです。
落合:それをどう現代日本に接続するかの問題ですよね。
この記事すげえ好きで、ファッションってものがファッションとして本質が楽しまれていない問題が世間にはあって、アイコニックなトレンドを追う流れそのものがソーシャルツールになってはいるけれど、自己表現とか、生き甲斐とか、独創性とか、アイデンティティの証明とか安心感へのファッション性を深ぼるようにマーケターが作った服というのはなかなか売れていかないし、表層的な同族同士がツルんでいるようにどうしても見えてしまう
古き良きに近い言葉としてヘビーローテーションだったり、鬼リピとかがあると思っていて、そこらへんのエモさふが服装とか色とかみんなが持つグッズとかに広告塔として現れる機会ってすごい少なくて、
人々はみな、その髪型いいですねとか、どこのイヤホン使ってるんですかとか、なんの車が好きなんですか、とかアイデンティティに興味があってはなすんだけど、なぜか赤髪だとV系で、ポルシェやテスラ好きだとギラギラしてるのかなみたいな、すごくもったいないファッション感覚に陥ている人は多い
どうしてもそこにあわせたくなっちゃうけど、絶対にそこにあわせても寂しいエモさを感じることはできないし、ファッションに真剣になれないから、踏みとどまってアイデンティティをザクと指し示そうみんな。
メイドインジャパンは別に歴史が好きな人とか、和テイストが好きとか、そういうことではなくて、本当に世界から求められていて、日本に生まれた僕たちにあるアイデンティティがくそクールだと思ってるから俺はもっと勉強して、色々と表現をしていきたい
伝統工芸は次の精神世界につながるために(モノを)買う と。なるほどね。めちゃくちゃ面白い。
では、あなたにとって、俺たちにとって、精神世界につながる神的なアイテムはどれであって、あなたは御加護としてそれを舞わせているだろうか