>>>世の中に無数の会社があり、無数の会社が生まれているのに生まれるのと同じかそれ以上の会社が廃業する理由は、まさしくこの点にある。僕は社長をやめ、東も社長を辞めている。経営のストレスは個人の創造性や創作性を著しくスポイルする。個人の発想力や想像力を最大化するためには、経営という機能をその個人が担当する必要はない。東も僕も、ともに社長を雇っているが、会社のオーナーは自分である(ゲンロンの場合は上田社長も共同オーナーだそうです)。僕は経営を極力コンパクト化し、最終的には経営の重要判断をAIが行い、どうしても人間でなければできない折衝などを人間の「社長秘書」が行う。では、オーナーは何をするのかと言えば、「やりたいことを決め、責任を取る」という機能に集中するのだ。

ビジョナリー・カンパニーという本が、偉大な経営者に慕われているのは、いわば「利益と理念のどちらに重きを当てるか?当然どちらもだ。」という非常に難易度の高いかつ欲張りな精神状態を表していると思う。

この天秤を神がかったバランスで体現するのが優秀な経営者と言われているが、ほとんどの人が目指している像は『経営者』というより、リーダーに近いと思っている。孫正義が資本主義ゲームの攻略者と揶揄されたり、ホリエモンが非難の的にされるのはこれだろう。

リーダーに利潤の追求が必要だろうか?