誰も見たことがないウユニを撮るために広大な塩湖に40日間、1人でテントを張って暮らした。
— 上田優紀 / 写真家 (@nature_yukiueda) January 6, 2024
あれほどの孤独はなかったし、雷はすぐ近くに落ちるし、風でポールの折れたテントは飛んでいった。最初の2週間は雨が降らず撮影すら出来なかった。
けど中に入っていかないと出会えない世界は確かにあった。 pic.twitter.com/6fw2lR4gyU
『観光』が好きではない人と話すことがある。山を見ても美しいと感じないし、歴史建造物を見てもこの建物何?と感じてしまう。これは審美眼や想像力の欠如ではない。むしろ、デジタルネイチャーのなかで生きていく新人類ともすれば、ツイッターを眺めて毎日世界旅行をしている人が、再度画像を眺めるだけだ。比較生産的な美の見劣りは、本当の美を見れているのかという課題は個人によって設定すればいいだろうし。
このツイートを見て、本当に美しいと思った。ウユニ塩湖がキレイ。それを何度も咀嚼してきて、慣れた美味のはずが、それなのに、40日も賭けたことに、だ。
他者が評価したり、何度も通り過ぎる景色、美味はどうしても見劣りしていく感覚に負けてしまう。わかりやすく空の旅がそうだ。ぼくは19歳の頃、ひとり旅で北海道行きの飛行機に乗って、隣に座る出張のサラリーマンがスマホをいじっていたり、寝ているのをひどくバカにした。「こんなに美しい景色が広がるキセキのような移動で、心を動かす時間にしないなんて、なんのために生きているんだ。」ってね。昨日ぼくは飛行機に乗って、窓際に座っていたが、外の景色を見た時間は1秒たりとも無い。次の予定を考えて、寝ていた。
なんのために生きているんだろう。
これからは、飛行機に乗るたびに、毎回違う空の景色を、何度見ても同じと諦めず、常にそこにある新しい美を追い求めようと思えた。
それは、日常に漂う侘寂や味、面白さに気づく感性を宿していくのかな。
何の変哲もない朝の空。窓の外を見ようとおもえて途端に心が踊った。サムネは19歳北海道で撮った空の味。