はあ。いやな朝だ。きのう起きたら5時40分。それは7時10分発の飛行機乗り遅れを合図していた。ちくしょう。悔しい。スーツケースにパッキングする時間やら、電車に乗る時間を考えたら、無理ゲーということに気づいた。LCCの値段をみたら2万2000円だった。JALにログインし、特典航空券で買った飛行機をキャンセル、翌日分を買い直した。さあて。まだ6時だ。一日東京でヒマになったと考えたが、結局、ふて寝してた。具体的にはYoutubeを100本くらい見た。インプットという一日の無駄遣い。でも、時間を無駄にしたほうが幸せだと思える一日も人生のなかではある。
いま俺は画像の机でこれを書いています。29歳まで無料になる搭乗ゲート手前のサクララウンジ。無料で自家製トマトジュースとか、エスプレッソが飲める。なんと今日も5時30分に起きたのだ。出発は7時5分(生活リズム完璧なのだろうか)昨日と同じだ。こういうときは直感を信じる。なぜか、絶対に間に合う行き方があるはずだ。そう悟った。あった。やっぱりあった。
事務所からタクシーでバスタ新宿まで行き、ぴったりのバス。起きたのは5時30分。調べ終わったのは38分。準備を15分で終わらせ、タクシーは8分で着くと経験済み。55〜6時00分までに出れば、間に合うぞ。スーツケースは諦めた。最低限のリュックで行こう。しかし、事務所の出発は6時1分。タクシーは未だ拾えていない。クソ。先にアプリで配車すべきだった。
歩いて甲州街道にでた。タクシーが捕まらない。ここまで事務所から40秒ほど経っている。赤い「空車」というランプが見えない。あのランプさえ見えれば勝てるのに。甘くなかった。なぜわかるのだろう。不思議だ。この時点で、搭乗ゲート前で負けると、直感が言っていた。タクシーがきた。やり手のタクシーだ。飛び乗って「バスタ新宿」で、と伝えた。青信号が3つ続いた。俺は心の中で思った。
「加点だ。」
いけるかもしれない。しかし、バスタ新宿前の信号で捕まってしまった。前には遅めの夜行バス。ちくしょう。「あと1点」で間に合ったのに。その感覚だった。バスタ新宿にタクシーが上がると、警備員に変な指示されたり、ロータリーで歩行者が多かった。結果は負けだった。6時10分発。タクシー降車も6時10分だ。15秒後、エスカレーターを上がるとき、「羽田空港行きのバス」がロータリーを通り過ぎた。目指していた山だ。思考は次に行った。俺はzFold4を開き、6時20分の羽田空港行きバスを予約した。10分ごとダイヤなのは知っていた。5分ほどの休息ができた。羽田空港第一ターミナルのフロアマップPDFをダウンロードした。
だいたい危険ラインを2段階またぐと負ける。バスタ新宿まで9分しかない、タクシーがすぐ捕まらない、次の信号、警備員。ここでもう終わっていた。次の勝負はもっと厳しい。搭乗手続きは20分前、ギリギリでも保安検査15分前。しかし、バスが到着するのは15分前だ。6時20分バスタ発〜6時50分第一ターミナル着。50分に到着し、50分に保安検査を終える必要がある。幸いにもタッチ&ゴー決済。保安検査でQRコードをピッとやる。そこまで55秒。ならいける。あとたまにバスは早く着く。正直この時は「まだ余裕」だと思っていた。
しかし、リムジンバスは5分遅延した。まず第二ターミナルが停留所。着いたのは49分。第二ターミナルの出発は50分50秒。絶望だ。たった10秒で、第一ターミナルに着き、バスを降り、保安検査でQRのピッ。これは、無理だ。さすがに負けを覚悟した。残す希望は、保安検査と搭乗ゲートのお姉さんガードがどれだけ緩いかだろう。神頼み。外的要因。望みは捨てず、リュックを背負い、保安検査をくぐれる状態にし、スタンバイモード。交渉シチュエーションをイメージした。第一ターミナルに着いた。55分。絶望だ。保安検査までは10秒で着いたが、さらなる絶望が待っていた。
保安検査が並んでいた。これはもう、、終わりだ。一度並ぶフリをして、お姉さんに交渉した。「リムジンバスの遅れで、もう9分なんですけど、今すぐパッと行けないですか」
ダメだった。ゴネはしなかったが3回くらい確認した。「今ダッシュで向かっても本当に厳しいですか?」「もう閉じちゃってますか?」ダメだった。10分前に搭乗ゲートは締切。時刻は56分。9分後に離陸。お姉さんのパターンによってはいけたと思う。4、5回目の経験だ。LCCでもJALでも、バンコク行きのエアアジアでも行けた試しがある。ただ、これはギャンブル。もう、リムジンバスが遅れた時点で、敗北の二文字が脳裏に浮かんでいたのだ。
「今回はリムジンバスが遅れたということで、フライトの変更を特別にいたします」意外すぎるサービスだった。100回はLCCに乗っているコスパでヘビーユーザーの俺からしたら、頭に無い提案だった。
感謝。。。
変更カウンターで8時発の便に振り替えてもらった。迷惑だ。リムジンバスが定刻だろうと、6時50分到着、50分に保安検査締切だ。50秒でQRのピッなんて、まかり通るわけがないし、降車後15秒のピッがいける経験は信じてもらえないよね。俺には考えがある。人生一度きり。自分の生きたいように生きる。実際は、昨日新幹線でも良かったし、LCCで2万円でも良かった。起きて速攻タクシーぶっ飛ばしてもらえれば間に合うし、結局値段の差は5000円くらいだ。でも、そうじゃない。最大得点を取りに行くこと、頭のなかで描いた妄想イメージを実行したり、点と点を繋いだ屁理屈を実現したり、本当にいけるのか?をそれはイージーと言う。そんな人生をこだわって、これからも生きていこうと思えたし、バカらしくて、疲弊するし、非現実的なことを、どれだけ日常にするか、そんな人生実験をこれからも無限にしていこうと思った。ただ、福岡に行く。そんな1つの日常から、これだけのスパイスをもらえた二日間に、感謝。
朝一の飛行機(羽田)に都内から乗るときのポイント |
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JALの特典航空券は1000円でキャンセル返金できる |
JALは無料でフライトを変更してくれる(事情必要) |
リムジンバスで新宿-羽田は30分だが5分バッファが必要 |
寝坊したと思ったら、Googleマップよりまず配車アプリでタクシーを呼ぶ、そのためにホーム画面に配車アプリを置く |
今日も新たな学びがあった。予定より25時間も遅い到着になったが、いま俺は空の上で、この行を書いている。昨日100本見たYoutubeのグダグダタイム、今朝の壮絶な秒単位の戦い。たまらないよ。この人生が。
これこそ、本当の、毎日がエブリデイだ。