RADWIMPS。大好きなアーティストのひとチーム。

ベストソングは「七ノ歌」
この曲で流した涙と決意の数が、何百万回といったありがとうを産んだというのは内緒の話。
…そんな風に、柔らかいテイストで恋心を揺さぶられてきた。水色のナイフで淑やかに刺されてきた人生。それはRADWIMPSによって作られた。
「新しいRADの曲聞きました?」
車を走らせている時、ある後輩が助手席でそう言った。運転しながら僕は、「また何かの主題歌になったのか」と思ったくらいで、心が動かなかった。たぶんRADWIMPSという存在が僕にとって、命の恩人ではなくアーティストになってしまったからだ。
「何が良かったの?」後輩にそう聞いた。すると、「昔のRADWIMPSみたいで、良かったんです。」と返事があった。少し興味を持った。
「どんな感じ?」
なかば批評家の顔をしていたかもしれない。話は数回繰り返し、曲も流してもらった。たしかに良いけれど声色やメロディラインから「そっけない」とか「棒人間」を崩した「おしゃかしゃま」や「PAPARAZZI」のような曲を出したのか。そのくらいの心持ちで話は終わった。
数日後、ふとあの日のことを思い出して、RADWIMPSとYouTubeで検索した。そして、聞いた。
「筆舌」を。
小さく、崩れ落ちた。
悲しかった。
最近、音楽を聞かない人生になっていたのだと気づいた。
ある程度の経験してしまい、長く一緒にいるパートナーもいて、「失恋」や「片思い」のような激しく情緒を揺るがす出来事が少ないのもそうだけれど、多分それだけではない。
筆舌を聞き終わって、歌詞に浸る前に、虚しくなった。感受性から遠ざかっていると。激しく後悔した。そして、時間差で涙が出るときの一歩手前のような込み上げた感情がぐわっと迫ってきた。
もう一度、筆舌を聞いた。
今度は怒りが込み上げた。
どうして時間はこんなにも残酷なのだろう。どうして社会はひとりひとりに革命が怒らないのだろう。どうして。過去には戻れないのだろう。どうしてあの人は帰ってこないのだろう。
それと同時に、フラッシュバックした。アーティストの数々。BUMP OF CHICKEN、androp、ヨルシカ、ずっと真夜中でいいのに。、ELLEGARDEN、そしてRADWIMPS、宇多田ヒカル、Suchmos、Hump Back、YOASOBI。。。
ああ。僕は、、、
俺は、音楽が大好きだったんだ。
ロックンロールは鳴り止まないと、カラオケで歌っていたあの頃の悲痛な自分の叫びは、どこに忘れてきたのだろう。
そんな戻れない過去の自分を投影しながら、将来の夢をある程度叶えてなお挑戦する人生の素晴らしさと天秤にかけたとき、かけれない天秤がもどかしくて、泣いてごまかせない人生になんだか叫びたくなって。
″今もいつか過去になって取り戻せなくなるから それが未来の 今のうちに ちゃんと取り戻しておきたいから″ 宇宙飛行士への手紙というBUMPの曲。高校生のころ一番好きだった曲。500回は聞いただろう。
本当に過去になった。あんなに未来を考えていたのに。
「昔のRADWIMPSみたいでした」
自分は昔みたいだと思われる人生を送れているだろうか。ある程度は自信がある。けれど、この程度でいいのだろうか。
一生とか絶対とか何万回とか、そういうのを叫んでいた自分をいつからか冷笑するような自分になってしまっていないか。
一生とか絶対とか何万回とか、そういうことをもう信じられなくなっていないか。
愛とか恋とかを、たくさんの人が影響を受けて、おとなになって忘れちまって、あの頃は青春だったねなんて言われちまって。野田洋次郎本人が並べたコンドームとかセプテンバーとか、今恥ずかしさもロックンロールもクソもなく反芻して成仏させてくサマをみて、俺は、これからどうやって生きていくんだろう。
「ふたりごと」とか「愛し」とか「25コ目の染色体」とか「もしも」とか、、、
それだけを聞いている自分とRADWIMPSが好きだったあの頃の自分を取り戻したいと思っている自分を絶対に忘れてはいけない。
これを青春で終わらせるのは違う。RADWIMPSというアーティストが昔の僕に与えてくれた感動に対して、僕は僕を裏切っている残酷な話なんだ。
絶対に諦めてはいけない。
筆舌のレビューや感動は、世間が無限にしている。RADWIMPSのファンである僕らはぜひ一緒に共感する喜びを分かち合うべきだ。
僕にとっての筆舌はひと味違った。
自分のなかに確かにあった野田洋次郎の一面が、なくなってしまったことへの憤り。
恋とか愛とか、くだらないみたいなことを何万回と叫んで一生誓うか。それが至上命題となるきっかけであり試練だ。
″どうか時が動かぬなら 素晴らしかった君に恋してた僕のままで″
RADWIMPS、野田洋次郎、思い出させてくれてありがとう。

2012→2025。13年経って今はもうRADWIMPSが響かない
…そんなわけがないのは、すぐに聴き直して証明できたしね。
絶対なんてないなんて絶対にないよね。